弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第463回
株式投資なら年5%の利回り?

ファイナンシャルプランナーという職業があります。
生活に必要な資金計画や家計の支出について、
相談に乗ってくれる人のようです。

資格自体比較的新しいもので、その資格が創設されたときには、
かなり話題にもされました。

そのファイナンシャルプランナーが
マスコミで取り上げられるのは、家計診断だと思います。

現在、日経新聞でも、毎週家計診断のコーナーがあります。
実際、人が生活する上で、
教育費や老後の生活にいくらかかって、
それに備えて具体的に家計をどう配分するかなんて
考えていない人の方が多いと思うので、
そういう情報の提供はなかなか役に立つのではないかと思います。

それに、他人がどのくらい財産を持っていて、
収入を何にどれくらい使っているかなんて、
通常知りようがないので興味もありますよね。

ただ、そういう記事の中で、気になる点が1つ。
よく老後や教育にこれくらいかかるから、それに備えて、
資産を形成する必要があるというアドバイスがあります。

そのときに、年5%くらいの利回りを考えて
株式投資や投資信託の割合を
増やした方が良いようなことを記載してあることがあります。

しかし、株式投資や投資信託は、
元本割れリスクがある金融商品なので、
銘柄によっては、年5%の利回りどころか、
元本割れしている可能性もあります。

それなのに、ファイナンシャルプランナーの方は、
新聞や雑誌では、コメント欄が短いので
仕方がないのかもしれませんが、
簡単にそういうアドバイスをされているので、
専門家として、間単にそういうアドバイスをしていいのかな
と思ってしまいます。

HiQをご覧になっている方の中には
株式投資をしている方は多いとは思いますが、
平成元年から20年経過した今、
投資額が2.65倍になっていますか?

20年間年5%の複利で運用できると元本は2.65倍になり、
単利でも2倍となる計算です。

ちなみに、平成元年6月5日の日経平均は3万3457円、
20年後の平成21年6月5日の日経平均は9768円です。

平成元年はバブル経済のころだったので、
平成11年6月4日(6月5日は土曜日で取引なし)の日経平均は
どうだったかというと、1万6300円でした。

株式で運用すれば、その間に配当もあったとは思いますが、
株式投資で長期間に亘り年5%で運用するのは、
なかなか難しいようです。


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2009年6月9日(火)

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