弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第410回
上場していない株式を持っても

株式市場への上場を予定していない会社の株を
将来上場するなどと言って、
高く売りつける未公開株詐欺が少し前に流行りました。
今でも、同じようなことがなされているかもしれませんが。

今日は、将来の上場も予定していない会社の株のお話です。
HiQをお読みのみなさんは、
株の売買の経験がある方が多いので、
株と言えば、証券取引所に上場している株式を
思い浮かべる方が多いかもしれません。

しかし、日本の株式会社のほとんどは、
株式を上場しておらず、
株式の売却には、
取締役会などの承諾が必要とされています。

これは、どういうことかと言うと、
上場していない会社の株式を
出資あるいは売買などにより取得しても、
自由に売却することができないということです。

厳密に言うと、株式を購入してくれる人を見つければ、
取締役会などの承諾を条件に売却することができます。

そして、取締役会などの承諾を得られない場合には、
会社に買い取ってもらうことができます。

しかし、上場していない会社の株式は、
買主を見つけることも大変ですし、
株式数が会社の総株式数の過半数なければ
役員の選任権など重要なことを決める権利もありません。

そういう株式を購入する人を探すのは、至難の業でしょう。

上場していない会社でも、
毎年配当をしてくれる会社の株式であれば、
持つことに意味があるかもしれません。

しかし、上場していない日本の多くの株式会社は、
配当もしていないのが普通です。

したがって、上場していない会社の株式を持つことは、
自由に売買もできず、配当も受けられないことから、
あまり意味がありません。

通常は、会社同士の、あるいは、
友人知人といった人間関係の付き合いで、
相手を資金面で援助してあげるという意味しかないのです。

出資や購入を頼まれたときには、
こういうことになるということをよく理解した上で、
出資や購入するかどうかを決められたらよいと思います。


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2008年11月25日(火)

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