弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第404回
身元保証人って何?

「身元保証」とか
「身元保証人」という言葉を聞いたことがあると思います。

これら「身元保証」や「身元保証人」というのは、
就職のときに出てきます。

会社が採用するに当たって、
「身元保証」書を持ってくるようにと、
就職する人に言うのが普通です。

「身元保証」をするのは、就職する人の親や親類が多いですね。
そんなことを他人に頼めませんものね。

さて、この「身元保証」には、2種類あって、

(1)就職のときに、就職する人の親や親類が、
就職する人は身元がしっかりしているということを保証する

というものと、

(2)就職した人が会社に損害を与えた場合に、
連帯して損害賠償をする

というものがあります。

法律上は、(2)に意味があります。

「身元保証」については、
身元保証に関する法律」という法律があります。

就職した人が会社に損害を与えたときは
損害賠償責任を負うとすると、
身元保証人は、自分の知らない会社で起きていることについて、
広く責任を負わなければならず、
酷になってしまう可能性があるからです。

身元保証については、5年を超えることができません。
5年を超えた身元保証は5年に短縮されます。
期間を定めていない場合は、期間は3年となります。

就職した人が会社に損害を与えたからといって、
全て身元保証人の責任になるとも限りません。

だから、身元保証人の責任を追及されたからといっても、
事情によっては全てを支払わなければならない
ということにはならないので、
会社が強行に損害を全額請求してきた場合争う余地もあります。

ただ、身元保証契約は、
会社にとって取っておいた方がメリットが多いことから、
僕は会社側から相談を受けたときには、
「身元保証」を取った方がよいでしょう
とアドバイスをしていますし、
「身元保証」を取っている企業も多いと思います。


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2008年11月4日(火)

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