弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第403回
大事業承継時代到来?

以前、大相続時代到来というお話を書きましたが、
それに伴って、会社の相続、
即ち事業承継ということが問題となってきます。

日本の会社は、そのほとんどが中小企業で、
社長が株主であるオーナー会社です。

中小企業白書によれば、
経営者の平均年齢が58歳になっているそうです。
そして、経営者の引退は、
平均67歳というデータもあるようです。

そこで、これから、
会社の相続、事業承継の時代がやって来るということなのです。

相続の面からすれば、
経営者の子供が、
会社の株を相続すればよいということになります。

しかし、会社は、単なる財産でなく、
承継するには、自ら経営をしていく必要があります。
取引先との問題もあれば、資金繰りの問題もあります。
従業員との関係もあるのです。

オーナー社長は、創業者であり、
いくつもの修羅場を乗り越えることや、
その人柄や才能により、
周囲の信頼を勝ち取っていることが多いです。

そこで、ある日、突然、
子供が株を相続したので、私が経営者です。
と言われても、
取引先や金融機関、従業員の信用を得られるわけではありません。

事業を承継させるには、跡継ぎを決めて、
事業を行っていくためのノウハウや
人脈などを引き継がせる必要があります。

事業承継で、もう1つ問題となることがあります。
それは、事業を1人に承継させると、
遺産を相続人の1人に多く相続させることになり、
他の相続人の相続分や遺留分を侵害してしまうということです。
残された借金を誰がどう支払うかも問題となります。
これは、法律上の問題です。

さらに、事業承継で問題となるのは、相続税です。
会社が事業用の資産を持っている場合など、
相続する株価がかなり高額となっていて、
多額の相続税がかけられる可能性があるのです。

これらのように、事業承継は、
経営、法律、税金の3つの面から
考えなければならないこととなります。





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2008年10月30日(木)

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