弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第363回
借金返済に追われている人は

前回、高利でもお金を借りようとする人は
多くが他の支払に迫られてお金を借りるので、
冷静に借りた後のことまで考えないし、
高利で借りれば生活や事業が破綻することになるのが普通だから、
お金を貸すときの上限金利について
規制は必要だという話をしました。

実際、借金の整理の相談や依頼を受けますが、
そういう方の多くは、借りるときに、
自分の収入から生活費を引いて、
月々の返済能力を確認してから借りるということをしていません。

大抵は、今月は、
生活費なのか返済するお金なのかわかりませんが、
足りないから借りるということを繰り返し、
どの貸金業者も貸してくれなくなったから、
返済ができなくなって、弁護士に相談するというものです。

サラ金などが、借りても借りても貸してくれるなら、
借りたお金で借金を返済することを永遠に続けたと思われます。
もちろんそんなことはありえないのですが。

それから、以前もお話したかもしれませんが、
返済に追われている人は、
冷静な判断能力を失う人も多いようです。
まず、うつ病などの精神病にかかってしまう人は意外に多いです。

それから、みなさんもよくニュースで耳にするように、
強盗や窃盗、横領、詐欺などの
お金を取る目的の犯罪の原因は、
借金返済のためが多いです。
ときには、他人の命を奪うことまでしてしまいます。

要するに、借金の返済に追われている人は、
犯罪によって他人からお金を取ってまで、
借金を返済しようとしているわけです。

こういう人たちのことを考えると、
高金利が規制されて、
借金ができない方が多額の借金を背負わないで済む分
幸せなんじゃないかと思います。





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2008年6月5日(木)

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