弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第283回
親が子の借金を払うと

子供がサラ金からお金を借りた場合、
親はどうするでしょうか?

資力のある親であれば、
その借金を自分が払ってあげてしまうのが
普通ではないでしょうか?

妻(夫)の借金を夫(妻)が払う。
親の借金を子供が払う。

麗しい家族愛のようですが、
実際は、この家族が借金を全額支払ってしまうということは、
あまりよいことではありません。

サラ金で借金をする人の多くは、
1ヶ月の収支を元に、
いくら借りたら、利息を含めて1ヶ月いくら返して、
いつまでに借金を返済するという
返済計画を立ててお金を借りることはしません。

一度お金を借りてしまうと、
その後は、当然、
返済分だけ支出を減らさなければならなりません。
しかし、具体的に
どの支出をいくら減らすということまで考えて
実行する人もいません。
足りなくなったら、借りればよいということの繰り返しです。

一度、そういう楽な生活に慣れてしまうと、
人はなかなか自分を律することは難しくなります。

誰でも、親や妻や夫や子供にお金を出してもらったときは、
きちんとしようと思うものです。
しかし、人は、過ぎ去ってしまうと忘れてしまうものです。

特に、自分が苦しんで解決せず、
他人に頼って解決したとなると、
自分に痛みがほとんどありませんから、
忘れるのも早いです。

お金が足りなくなったときに、節約することをせず、
ちょっとくらいなら、ということで、
再び借入を始めてしまいます。

僕は、そういうケースを何件も見てきています。

本当に、子や妻、夫、親のことを思うのであれば、
無条件に借金を返すのは止めた方がいいでしょう。

特に、自分の生活を犠牲にしてまで、
家族の借金を返済するのは、
家族のためにもならないし、
自分もいざとなったときの蓄えを無くしてしまったり、
借金地獄に入ってしまったりすることとなってしまいます。





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2007年8月16日(木)

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