第275回
政治家は法律を守ればよいのか?
事務所費問題で、
前大臣が法律上、領収書添付義務がないので、
明細や領収書を明らかにしないと答弁していました。
現大臣も、同様の答弁を繰り返しています。
もちろん、法律を守っているのであれば、
法的責任を負うことはありません。
即ち、罰金や懲役といった
刑事責任を負うことはありませんし、
損害賠償請求を受けるという
民事責任を負うこともありません。
しかし、政治家や大臣なのですから、
法律に違反して、
法的責任を負うようなことをされては困るわけで、
法律を守るのは当たり前の話です。
政治家には、
法律に違反していなくても、
国民に対する道義的責任、
政治的責任というものがあります。
国民から疑問をもたれたら、積極的に説明する。
大臣や政治家として、ふさわしくなければ辞める、辞めさせる。
他にも、責任の取り方はあると思いますが、
これらは、法律に違反したことによる法的責任ではないので、
法律上強制できません。
しかし、政治家が
道義的責任や政治的責任を果たさないのであれば、
国民は、選挙で、政治家に対し、
政治的責任を取らせることが可能です。
国民が、政治家に対し、政治的責任を取らせなければ、
政治家に、いつまでも、
法律を守っていると開き直られることが続いてしまうのです。
みなさんは、水道光熱費に数百万円も使用したり、
10年間で事務所経費として9000万円も使用しているのに
その明細を説明しなかったりする政治家が
「法律を守っているから」
と開き直っていることを許せますか?
政治家の責任は、
法的責任だけではないことを
教えてあげたくなりませんか?
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