第264回
ノルマは悪いことか?
企業の不祥事が起こると、
ノルマが槍玉に挙げられることが多いです。
ブックオフの不正売上計上問題や
今回のコムスンの介護保険料不正請求問題でも、
経営者の従業員に対するノルマが悪い
ということが指摘されています。
しかし、どの企業でも、
従業員1人あたりがしなければならない仕事量というのは
あるはずです。
どのくらいの仕事量に対して、いくらの給料だと定めることは、
合理的だと思います。
逆に言えば、これくらいの給料であれば、
これくらいの仕事をしてもらうということになるでしょう。
ノルマとは、それを明確にするものだと考えます。
問題なのは、ノルマの設定の仕方にあります。
給料に見合わない過大なノルマ、
あるいは、実現不可能なノルマを設定すると問題が出てきます。
過大なノルマを課せられて、
それを達成できないと人並みの生活を営めないとなれば、
従業員は、違法な行為をしても、
生活を維持しようとするでしょう。
しかし、通常その業界にいる人で、
それくらいの給料をもらっている人であれば、
十分実現が可能であるにもかかわらず、
ノルマを守るために違法な行為をしたとすれば、
それはノルマが悪いのではなく、従業員の資質の問題となります。
だから、ノルマが問題になったときには、
単にノルマがあるから悪いというわけではなく、
ノルマの内容とそのノルマを課せられた従業員の
給料の額によると考えてください。
そうでないと、何が問題なのかについて見誤ることとなります。
でも、新聞記事などには、
ノルマの内容について書かれることは多いですが、
そのノルマがどれくらい困難なノルマで、
そのノルマの課された従業員の給料の額が
どれくらいかまでは書かれていません。
もう少し突っ込んで報道してもらえるといいんですけどね。
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