第212回
家を差し押さえられる前に
借金が増えて
住宅ローンを返せなくなったときに、
差し押さえられる前に、
自宅を売却して、
売却代金で、
住宅ローンを返済することがあります。
この手続は、
差押えにより強制的に
売却されるのではなくて、
借主が、自ら任意で
自宅を売却することから、
「任意売却」と呼ばれています。
任意売却のメリットは、
競売による売却よりも高く売れるということです。
裁判所の競売の最低入札価格は、
時価の7割です。
したがって、
3割も安く売られてしまう
可能性があるのです。
そうすると、
時価で売れれば借金は返せるのに、
競売で売られたため、
借金が返せなかった
ということにもなりかねません。
また、時価で売れれば、
住宅ローンを返した上に、
余りが出るはずなのに、
競売にかけられた結果、
手元には残らなかった
ということもありえます。
せっかく手に入れた自宅を
売りたくない
という気持ちはわかります。
しかし、サラ金などから借入れをして、
住宅ローンを払っていると、
サラ金の金利は高いですから、
あっという間に、借金が膨らんで、
破産をしなければならなくなってしまいます。
そうなってしまえば、
強制的に、
自宅を手放さざるを得ません。
早めに、自宅を手放すのも、
借金を整理する1つの方法なのです。
任意売却では、
自宅を出て行く時期なども
自分の都合のよいように決められます。
他から借金をしないで、
節約して住宅ローンを
支払っていけるのであれば、
任意売却をする必要はありませんが、
サラ金などから借入れをしながら、
住宅ローンを支払っているような場合には、
任意売却を検討された方がよいと思います。
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