第168回
企業経営者に必要な法律力とは
前回、「ビジネスには法律力が必要だ」
という話をしました。
では、企業経営者やサラリーマンが
ビジネスで必要とされる法律力とは
どのようなものでしょうか?
みなさんは、
法律や判例を勉強して、
トラブルについて正しい解決や
正しい判断ができるようになることが
法律力と考えると思います。
その考え方は正しいです。
しかし、それは理想論です。
サラリーマンで、
しかも法務部に所属していれば、
法律の判例を
広く勉強することも可能でしょう。
しかし、会社の戦略資金繰り、
従業員の教育など
会社経営全般について
考えている企業経営者が
法律や判例の知識を
広く勉強している時間はないと思います。
また、営業や商品開発担当の社員も
法律の勉強をするよりは自分の担当の業務、
例えばどうしたらもっと売れるのかに
時間をかけた方がよいのです。
では、企業経営者や
サラリーマンに要求される法律力とは
何でしょうか?
それは、これはこのままにしておくと
ヤバイと思う感覚です。
例えば、他人が事業を始めるときに、
お金を出すことがあります。
これについて、
領収書をもらうことはもちろんですが、
このお金が返してもらえる貸付金なのか、
利益が出なければ
返してもらえない出資金なのか、
貸付金であれば
いつ返してもらえるのかなどについて
決めておかないと
後でトラブルとなることとなります。
ここで、このままお金を出すと
後でヤバイことになるかもしれない
と思うことが、
企業経営者や
サラリーマンに要求される法律力なのです。
そして、ヤバイと思ったら、
弁護士や法務部に相談すればよいのです。
このヤバイと思う感覚は、
企業経営者であれば
弁護士と顧問契約を結んで、
最初は何でも弁護士に聞いてみることです。
そうすれば、弁護士から話しを聞くうちに、
ポイントとなる勘所がわかってくるからです。
企業経営者にとっては、
自分で法律書を読むよりも
時間的・コスト的にも得するはずです。
サラリーマンの方は、
法務部のないような会社もあるし
そのようなことは難しいかもしれません。
そのときには、社長などの上司に
これは危なくないですかと
社長や上司が弁護士などに相談するよう
仕向けるしかないと思います。
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