弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第154回
リストラの相談も減った

ほんの少し前までは、
借金の整理の相談と並んで、
会社からも、従業員からも、
給料の減額や
早期退職優遇制度・解雇
の相談が多くありました。
いわゆるリストラ関連ですね。
企業の売上が減少して、
これまでと同じ給料で
同じ数の従業員を抱えきれなくなったこと
(抱えきれなくなる可能性が高まったこと)から、
各企業でリストラが行なわれました。

しかし、最近は、このような相談を
受けることが無くなりました。
これも、借金の整理の相談と同じで、
リストラが必要な企業は
リストラを終えてしまい、
もうリストラは
必要がなくなったのかもしれません。
あるいは、売上や利益が
増加する見通しになり、
余剰人員がいなくなったのかもしれません。

借金の整理の相談や
リストラの相談が
減少したことからすると、
やはり、世の中は、
景気が回復しているのだと思います。

しかし、現在の景気回復に支えられ、
本来、借金の整理をすべきであった
にもかかわらず、
しないで過剰債務が残ってしまった
という企業もあるはずです。

また、本来、
リストラすべきであったにもかかわらず、
しないまま、
何となく経営を続けている企業もあるはずです。
これまでであれば、
景気が悪い
という世の中の情勢があったことから、
景気が悪いので、
支払いを減額して欲しい、
長く延ばして欲しい
などの借金の整理が
受け入れやすい状況でした。

また、これまでは、
世の中の多数の企業がリストラをして
倒産を免れるということをしていましたから、
リストラについて
従業員の理解を得やすい状況でした。
しかし、世の中景気が良くなったにもかかわらず、
支払いを減額するとか、
リストラをするというのは、
なかなか理解を得られにくいと思います。
そうかと言って、
過剰債務や過剰人員を引きずって、
成熟社会の日本経済において、
生き抜いていくのも
難しいような気がします。
未だに、過剰債務、
過剰人員を抱えているという企業は、
ここで、何とか整理して、
先に進むことを考えた方が
良いかもしれません。


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2006年5月11日(木)

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