第145回
法律は、憲法・刑法だけじゃない
みなさんは、知っている法律を挙げてください
といわれたら、何と答えますか?
「憲法」あるいは「刑法」と
答える方が多いのではないでしょうか。
「憲法」は、国の基本原則で、小学校、中学校、
高校と社会科の授業で習いますから、みなさん、
馴染みがある法律だと思います。
「刑法」は、みなさんご存知のとおり、
犯罪とそれに対する罰を決めている法律です。
憲法と違って、学校の授業では教えられません。
しかし、テレビや新聞で取り上げられる
殺人や強盗などの重大事件は、ほとんどが「刑法」の問題です。
テレビのドラマや小説で取り上げられるのも、
殺人などの刑法の問題です。
しかし、この「憲法」や「刑法」が
みなさんの生活に関係があるかと言えば、
普通の人にはあまり関係がありません。
身近に起こったトラブルで「憲法」が
問題になることはまずありません。
僕は、弁護士になって12年ですが、裁判で、
憲法上の権利を主張したのは、2回くらいしかありません。
また、「刑法」も、みなさんが犯罪を
行うとは思えませんから、関係がないこととなります。
(ただ、犯罪の被害に遭った場合には関係があります。)
以上のように、みなさんは、知っている法律というと
「憲法」「刑法」なのですが、
実は、みなさんの生活とはあまり関係のない法律なのです。
みなさんの生活に関係する法律は、「民法」と「商法」です。
だから、最初の知っている法律を挙げてください
という質問に対して、「民法」や「商法」と答えた人がいれば、
生活に役立つ法律を知っているという意味で
ちょっと法律に詳しい人かもしれません。
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