弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第136回
借金も離婚で財産分与することに

世の中、離婚は増えているようで、
離婚の相談で、離婚はお互い合意しているが、
財産の分け方で揉めているというケースも増えています。

離婚の際に、
夫婦が結婚してから作ってきた財産を分ける手続が
財産分与です。
夫婦が結婚してから作ってきた財産であれば、
夫名義でも、妻名義でも、財産分与の対象となり、
分けることとなります。

分け方は、基本的には、妻が専業主婦でも、共働きでも、
2分の1ずつが基本です。
問題なのは、バブルのときに投資をして失敗して残った借金や、
家やマンションを売却しても借金の方が残ってしまう
住宅ローンです。
即ち、結婚後に作った夫婦の財産が
プラスの資産とマイナスの負債を全て合わせると
マイナスになってしまうケースです。

これは裁判所などでも、考え方が分かれています。
1つは、財産分与は、プラスの財産を請求できる権利で、
借金などのマイナスの財産は、
分ける対象とならないという考え方です。
もう1つは、財産分与は、夫婦の財産関係の清算なので、
プラスだろうがマイナスだろうが、
全て2分の1ずつに分けるという考え方です。

僕は、男女の平等ということを考えれば、
借金などのマイナスも夫婦で半分ずつ分けるという
後の考えが正しいと思います。
ただ、現実には、女性の方が収入が低い、
あるいは専業主婦で収入がないのが実情なので、
借金などのマイナスの財産は
財産分与の対象とならないという考え方もあるのだと思います。

今後は、夫婦で女性の方が収入が多いということも
十分ありえる時代ですから、
借金も平等に分けていくという考え方に
なるのではないでしょうか。


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2006年3月7日(火)

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