弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第132回
将来起業するなら

バブル崩壊後、新しい産業を生み出し、
新たな雇用を作るために、
国を挙げて、起業を支援してきました。
国は、1円会社の設立を認めたり、
起業に当たっての助成金を提供したりしました。

IT企業の成功やベンチャー企業のIPOなどが取り上げられ、
以前と比べて、一生サラリーマンでなく、
将来は、起業して経営者になろうと思う若者も多いようです。
いきなり自分のアイデアを信じて、
ビジネスを開始するというのも一つでしょう。
しかし、全くビジネスがわからないところから始めるのは、
全て、自分の費用と労力とリスクで
学んでいかなければなりませんので、かなり大変なことです。
それでも、生き残っていければ、
本物の経営者となれるでしょうが、
そうなれる人は極少数だと思います。

そこで、将来起業を考えている人には、
自分が起業しようと思っている業界で、
実際に働いてみることをお勧めします。
当然のことながら、その業界には、
どういう企業がどういう商品やサービスを提供し、
どのように利益を上げているかが実際にわかるからです。
そこで、自分の考えるアイデアが受け入れられるのか、
どうしてその業界にはないのかを検証すればよいのです。
本当に、そのアイデアが画期的で
誰も思いついていないということであれば、
実現すれば、成功するでしょう。

しかし、同じようなアイデアは
既に他の人が考えて実現しようと思っても、
実現できない事情があったりもするのです。
それは、実際にその業界で働いてみないと見えてこないものです。
できれば、大手ではなくて、中小企業の方がよいと思います。
中小企業の方が、自分がその業界で起業した場合に
直面するであろう顧客や取引先、従業員、
あるいは銀行や役所との問題など
全て把握できる可能性があるからです。
中小企業で給料が安くたって、
将来の起業のための勉強を給料をもらいながらしていると思えば、
我慢できるはずです。

ただ、中小企業はオーナーのワンマン会社で、
従業員には、一部しか見せないし、
やらせないというところもありますから、
そこは気をつけなければなりません。
そういう意味では、中国関連で起業することを考えている人は、
邱さんの秘書になるというのは良いかもしれません。


←前回記事へ

2006年2月21日(火)

次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ