弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第100回
ソフトウエア開発のトラブル

時代は、コンピュータや
インターネットと言った
いわゆるIT企業花盛り。
というよりも、ITバブル崩壊後、
ITが社会に定着し、
なくてはならない存在になりました。

そういう時代背景のせいか、
企業間のトラブルでも、
ソフトウエア開発のトラブルが増加しています。
その典型的なのは、
費用をかけた割には思ったとおりに
できあがっていないというものです。

それから、途中、
あるいは後から修正してもらったときの
その修正費用をどちらが負担するかというものです。

これらは、主に、
発注者側がソフトウエアについて
知識がないことから生じるのが一般的です。

オーダーメイドのソフトウエア開発は
相当お金がかかるのが普通です。
まず、その点をよく確認しましょう。

それから、最初に、
よく、どういう作業を
どういう手順で行なうソフトにするか
確認しましょう。

ここの作業が不十分であると、
先ほど述べたような費用をかけた割には、
思ったような効果が得られない
ということになってしまいます。

知識が不十分で、
コンピューターソフトで
どのように作業が進んでいくのか
イメージができない場合には、事前に、
市販のパッケージソフトを購入して使用してみて、
どういう機能が必要で、
どのような作業手順で進めるかを
具体的にイメージできるようにすることも
必要なことかもしれません。

それから、後から、作業手順を変えたり、
機能を追加したりすることは、
ソフトウエア開発の場合、
作り直しと同じ作業となることが多いので、
追加の費用が多額となるということを
よく認識しておきましょう。

実際の作業では、
A→B→Cというのを
A→C→Bにするだけなんて、簡単ですが、
ソフトウエアのプログラミングでは、
やり直しと同じ作業となる場合があるのです。
ボタン1つを付け加えて、
機能を1つ加えただけでも、
これまで組んだプログラムを
全部修正しなければならないこともあるのです。

このように注文主の発想が安易であると、
後で、こんなに費用がかかるのであれば、
頼まなかったというトラブルになりかねません。

逆を言えば、
ソフトウエアの開発会社の方でも、
注文を受ける際に、
注文主によくわかるように説明していない
ということだと思います。

注文する方も、
注文を受ける方も気をつけたいものです。


←前回記事へ

2005年10月11日(火)

次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ