第93回
大学の再建を邪魔するのは
少子化により市場が縮小しているのですから、
大学経営の再建は容易ではありません。
優秀な学生は、名のある大学に行ってしまいます。
一般に名前を知られていない大学は、
何もしなければ、学生は来てくれません。
学生が来なければ、
学生が支払う入学金・授業料収入はなくなりますし、
入学希望者が少なければ、
受験料収入も少なくなります。
そうなると大学の経営が成り立ちません。
こんなこと、
民間企業にいれば当たり前のことですが、
それがわからない人たちが大学にはいます。
大学教授を始めとする大学の先生です。
大学の先生は、通常、教師になりたくて、
大学の先生になったのではなく、
研究がしたくて先生になった人がほとんどです。
だから、自分の仕事は自分の研究であり、
学生に授業を教えることは
仕事と思っていない節があります。
学生に授業を教えるのは、
自分の研究活動の一環であり
教授の自由があるから、
学生がわかろうがわかるまいが関係なく、
自分の好きにやらせてもらうと考えています。
その結果、入学者が減ろうが、
それは自分の責任ではなく
経営者が負うべきで、
自分には関係ないので、
給料は約束どおり払ってもらう権利がある
ということのようです。
こういう先生が一部であれば、
大勢に影響はないのですが、
こういう態度は、大学の先生にとって楽だし、
メリットが大きいことから、
一大勢力(派閥)となりがちです。
しかも、大学は、
真実追及のための研究機関として、
大学の重要なことは
大学の先生の集まりである教授会で
決定することとなっています。
そして、大学の先生は、他の学校の先生にも増して
権利意識が高いのが普通です。
このようなことから、
大学の顧客(学生)に他の大学と比較して
特色あるサービス(授業)を提供し、
経営改善をしようとするときに、
大学の先生が障害になることが
往々にしてあります。
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