弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第62回
狙われている高齢者の財産

日本人の金融資産
1400兆円のほとんどを、
高齢者と呼ばれる層の人たちが
持っているそうです。

人間、そうでない人もいますが、
高齢となれば、いつかは判断力が弱くなり、
物忘れが激しくなってきます。
自分に親切にしてくれたり、
いいことを言ってくれたりする人が
いい人と思えてきたりします。

残念ながら、世の中、
良い人ばかりではありません。
お金や資産を持っていると、
不思議と、それを狙う悪い人が寄ってくるものです。

自分にお金がないにもかかわらず、
親切にしてくれたり、
自分に良いことを言ってくれたりする人は、
あなたにとって良い人かもしれません。

しかし、あなたがお金持ち
あるいは資産家の場合、
あなたに親切にしてくれたり、
いいことばかり言って寄って来たりする人を、
ちょっと疑ってかかる必要があるかもしれません。

先日、1組の老夫婦が、
何度も家のリフォーム契約をさせられていた
というニュースがありました。

行政がリフォーム業者や
信販会社を問題としたために、
家が競売にかけられ失うといった事態は
回避されたようです。

しかし、これは不幸中の幸いな出来事であり、
このように救済されるケースは稀だと思います。

家が競売にかけられるまで行かなければ、
大きな被害を被ったまま
我慢し続けた可能性も強いのです。

このように、戦後何十年もかけて、
無駄遣いもせずに築き上げた
高齢者の方の財産が狙われているのです。

これに対し、
何らかの対策を打たなければならないと
国が作った制度が、成年後見制度です。


←前回記事へ

2005年5月24日(火)

次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ