第46回
西武鉄道株問題で話題の名義株
本当は、西武鉄道の株式を
コクドが所有していたにもかかわらず、
他人名義にしておいて、
有価証券報告書に、
コクドの持ち株数を実際よりも
少なく記載していたことが、
証券取引法上の
有価証券虚偽記載罪に当たるとして
問題とされています。
法律上、実際に株式の購入代金や
出資金を出した者が株式の所有者となります。
しかし、これを他人名義にしておいた場合を
「名義株」と言います。
西武鉄道のケースで言えば、
西武鉄道が増資などをした際に、
実際には、コクドが出資金を払い込んだにもかかわらず、
他の者の名義にしておいたと推測されます。
どうしてこのようなことをするかと言うと、
会社の支配権を維持するためです。
今、ライブドアのニッポン放送株買占めが
話題となっていますが、
上場企業においては、
誰でもお金を出せば
好きなだけ株式が買えるわけです。
とすると、上場企業は、
今回のニッポン放送のように
ある日突然、買収に遭う危険があるのです。
そこで、企業は対策として、
身内で、株式を大量に持つということを行うのです。
市場に流れる株式が少なければ、
買収されるおそれがありません。
しかし、市場に回る株数が少なければ、
売り買いが少ないわけですから、
公正な株価が形成されません。
そこで、証券取引所では、
特定の株主が一定以上
株式を持った状態が継続した場合には
上場を廃止するという
上場廃止基準を定めています。
10名以内の株主が
75%以上の株式を1年以上持ち続けると、
上場企業は上場廃止となります。
ちなみに、上場とは、
会社の株式が証券取引所などの市場で
自由に売買できる状態になることです。
上場廃止とは、
株式を市場で売却できなくなることです。
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