弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第34回
借地権は大きな財産

みなさん、地主と言えば
お金持ちというイメージがあると思います。

実は、地主から土地を借りている借地人も、
お金持ちとまでは言えるかどうかわかりませんが、
借地権という財産を持っています。

みなさんは、借地人は、
土地を地主から借りて、
地代を払っている立場なのに、
どうして財産を持っていることになるか
疑問に思うかもしれません。

地主から土地を借りて
自宅等を建てて使用している借地人は、
借地借家法(以前は借家法)で保護されており、
一度土地を借りると、
なかなか地主から返して欲しいと言えないからです。
たとえ、賃貸借契約の期間が満了したとしても、
地主側に契約終了を求める正当な理由がなければ
契約を終了できず
更新していくこととなっています。

一般に「一度土地を貸すと戻ってこない」
と言われているのはこのためです。

建物が壊れたり、古くなったりして、
人が住めない状態になれば、
賃貸借契約は終了することとなっています。

しかし、裁判所は、
土地上に家などを建てている借地人を保護するために、
建物が古くなって人が住めなくなった
(この状態を「朽廃」と言います)とは、
なかなか認定しません。

また、建替が賃貸借契約で
禁止されていたとしても、
裁判所に、地主に対し建替承諾料を支払うことを条件に
建替の許可をもらうこともでき、
建物を建て替えることもできてしまうのです。

とすると、一定の対価は支払いますが、
借地人は半永久的に、
地主の土地を利用していくことができるのです。

借地権が財産権と言われている理由は、
それだけではありません。
借地権を売却することもできるのです。
これについては、次回に説明します。


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2005年2月8日(火)

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