弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第29回
預金は元本保証なのに

みなさんご存知のように、
平成17年4月1日から、
銀行預金について
ペイオフが全面解禁となります。

銀行が倒産すると、
1000万円を超える預金は保護されない
という言葉だけが独り歩きをしていて、
ペイオフとはどういうことなのかについて、
よく理解されていないような気がします。
そこで、ペイオフについてお話します。

みなさんは、投資や金融商品に
興味を持っている方が多いでしょうから、
元本保証かどうかについても
関心があると思います。

預金は、元本保証です。
外貨預金も、元本保証です。
郵便貯金も、元本保証です。
国債も、元本保証です。
社債も、元本保証です。
株式は、元本保証ではありません。

そもそも、株式は、
その会社が上場している場合に
市場で売却できるというだけです。
投資信託も、元本保証ではありません。

ここで、元本保証というのは、
銀行や国、会社が、法律上、
全額返還義務を負うということです。

友人にお金を預けたり、
お金を貸したりした場合も、
友人は、借りたお金や預ったお金を
全額返還する義務がありますから
元本保証ということになります。

物を売った代金も
買主は全額支払義務がありますから、
元本保証ということになります。

これに対し、株式や投資信託は、
出資してもらったお金や預ったお金を
全額返還する義務がありません。
だから、元本保証ではないのです。

銀行預金のペイオフの問題は、
元本保証の金融商品でも、
お金が返ってこないことがあるという問題なのです。
それが、倒産なのです。


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2005年1月20日(木)

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