弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第25回
賃借人が行方不明になった

■質問

所有している土地を貸しています。
土地には借主の家が建てられています。
最初の2年分は地代を頂いたのですが、
その後、6年分は頂いていません。
現在、借主が行方不明です。(一人暮らしでした)
どうしたら良いのでしょうか???
借主の家(建物)はどうするのでしょうか???

■回答

アパートやマンションを貸している場合、
借主がどこかに行ってしまって、
家賃を未払いにしたまま
行方不明となってしまうケースはよくあります。

これに対し、ご質問のような借地のケースでは、
借地の上に自分の家がありますから、
それを残したまま
どこかに行ってしまうというのは珍しいです。

アパートやマンションの場合は、
部屋の中に家財道具があるだけですから、
必要なものだけ持って、
残りを捨てて出て行くということが、
借主にとってあまり損失の大きいことではありません。

これに対し、借地上の家は、建物によりますが、
一般的に家財道具よりは高価ですし、
地代も、アパートやマンションの家賃と比べれば
遥かに安いのが普通です。
しかも、借地権は、それ自体が一つの財産権なので、
それを放棄して出て行くということは、
借主にとって、損害が大きいのです。

そこで、借地の借主が
行方不明ということはあまりありません。
ただ、土地を貸している場合でも、
アパートやマンションを貸している場合でも、
借主が賃料を未払いにしたままで
行方不明となってしまったときに取る法的手段は同じです。

こういう場合、まず、考えるのが、
賃貸借契約を解除して、
土地上の建物を壊して
土地を明け渡してもらうことができないかということです。

次回以降、どのような手続を取るか説明します。


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2005年1月6日(木)

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