第14回
家賃保証のはずなのに、減額請求なんて
■質問
バブルのときに、大手不動産会社が一括で借り上げ、
最低の家賃も保証するので、
マンションを建てないかと言われました。
借金をしてマンションを建てることは、
相続税対策にもなるし、
大手不動産会社が家賃保証をしてくれるのであれば、
マンションに空きが出ても
借金の返済にも困らないと思って、
これに応じました。
ところが、バブル崩壊後、大手不動産会社は、
保証した家賃額以下でしか転貸できないので、
家賃を下げて欲しいと言ってきました。
大手不動産会社が家賃保証すると契約で約束したから、
借金までしてマンションを建築したのに、
こんなこと法律で許されるのでしょうか?
■回答
質問のように、
不動産業者が建物を一括で借り上げ、
大家に代わり借主に転貸し、
大家には家賃を保証する契約を
サブリースと言います。
不動産業者は、一般に大家に代わって
建物の管理を任されていることが多いです。
しかし、それでは、
賃借人との契約やトラブルについては、
いちいち大家に確認を取りながら進めなければならず、
不動産業者にとっても、
大家にとっても面倒なこととなります。
特に、賃借人との訴訟などは、
貸主である大家が当事者とならなければなりません。
また、管理代行や契約の仲介では、
不動産業者もあまりうまみがありません。
そこで、不動産業者が、
大家から建物を一括で借り上げ、
大家に代わり賃借人に転貸し、
大家に対しては一定の家賃を保証するという
サブリース契約が考え出されたのです。
サブリースは、不動産業者による賃貸業の代行です。
これにより、大家は、
借主である不動産業者に信用のある
大手不動産業者を選びさえすれば、
家賃滞納や空き室
その他賃借人とのトラブルに巻き込まれることなく、
一定の収入が確保されることとなりました。
不動産業者にとっても、
家賃滞納や空き室
その他賃借人とのトラブルなどのリスクを
自らが負うことにより、
管理代行や契約の仲介のときよりも、
多い収入を得ることができるようになりました。
このサブリース契約は、
大家にとっても、不動産業者にとっても
メリットが大きい優れたシステムだったのです。
右肩上がり経済が終了するまでは。
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