弁護士・高島秀行さんの
読んだらわかる訴訟の話

第105回
トラブルに遭いやすい人

弁護士に相談し、
依頼する必要がある事件に
巻き込まれやすい人は存在します。
しかし、僕は、弁護士であって、
占い師などではありませんから、
生まれが悪いとか、方角が悪いなどということを
言うつもりはありません。

聞けば当たり前のことです。

(1)お金、資産がある人
  お金や資産がある人は、
  それを投資したり、運用したりします。
  この投資や運用は契約ですから、
  それだけでも、本来、弁護士に相談する必要があります。
  契約を交わせば、
  相手によってはトラブルに巻き込まれる可能性が出てきます。
  お金や資産がある人ほど
  たくさんの契約を交わすでしょうから、
  トラブルに巻き込まれる可能性は高まります。
  不動産を持っていない人は、
  トラブルは発生する余地はありませんが、
  不動産を購入し、賃貸しようとすれば、
  購入時にトラブルに巻き込まれるかもしれませんし、
  賃貸したらしたで
  賃料不払いなどのトラブルに
  巻き込まれる可能性があるわけです。

  遺産分割など
  親に遺産がなければ発生しようがありません。
  世の中には、他人のお金や資産を狙っている人がいます。
  そういう意味でも、
  お金や資産がある人は
  トラブルに巻き込まれやすいと言えます。

  また、弁護士は相談された場合に、
  訴訟をして勝つ見込みがあるかだけでなく、
  相手から回収が可能かという点からも、
  アドバイスするのが普通です。
  相手にお金や資産がなければ訴訟しませんが、
  あれば訴訟される可能性は高まります。

  有名な人は、勝手に名前を利用されたり、
  ちょっとトラブルになると
  マスコミが大きく取り上げたりするので、
  訴訟のターゲットとされやすい面があります。
  いわゆる有名税というものです。

(2)会社を経営している人
  会社は、存在そのものが法律によっています。
  法律によらなければ、会社を設立することもできなければ、
  役員を選任することもできません。
  資金繰りでお金を借りる、取引先と契約を結ぶ、
  従業員の賃下げや解雇など、
  会社の行為は全て法律問題なので、
  弁護士に相談するトラブルが発生してもおかしくありません。

次回は、トラブルに遭いやすい行動などについて、説明します。


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