第25回
ロースクールは弁護士の世襲を招く?
弁護士の子供が
弁護士になると思っている方は
少なくないようです。
僕もよく「お父さんは弁護士ですか」
という質問を受けることがあります。
しかし、実際は、司法試験が難しく、
しかも公正に行われているためか、
弁護士の子供だからといって、
必ず弁護士になれるとは限りません。
お金がなくても、コネがなくても、
能力があれば弁護士になれる。
そういうところが気に入って
司法試験を受けたという人は結構多いです。
僕もそうでした。
ところが、司法改革の一環で、
来年からロースクールができて、
そこを卒業すれば7割は
司法試験に合格するようにするそうです。
問題は、ロースクールの授業料です。
国立大学で年間70万円から80万円、
私立大学で年間
150万円から200万円かかると言われています。
しかもロースクールには
基本的に3年間通わなければなりません。
大学側からすれば、少人数の学生に対し
質の高い授業を提供するとすれば、
授業料としてそのくらいもらわないと
採算が取れないでしょう。
それでも、赤字だという話をよく聞きます。
しかし、学生からすれば、
ロースクールに通っている期間は
収入が得られないにもかかわらず、
このような費用を負担するというのは、
かなり経済的に恵まれていないとできない話です。
多様な人材を法曹界に送ることを目的の1つとして
制度化されたロースクールですが、
果たしてそうなるのかは疑問です。
比較的経済的に恵まれている弁護士が
自分の子に自分の事務所を引き継がせるために
弁護士にすることを
容易にするだけのような気がします。
現在、政治家や医者に世襲が多いですが、
今後は弁護士もそうなってしまうかと思うと残念です。
|