弁護士・高島秀行さんの
読んだらわかる訴訟の話

第18回
訴訟にかかる費用

訴訟にかかる費用は、ほとんどが弁護士費用です。
訴訟を起こす場合には、
裁判所に納める印紙代・切手代が必要となりますが、
訴訟を起こされた、即ち訴えられた場合には、
印紙代・切手代は不要となります。

弁護士費用の計算方法は、
弁護士が事件処理にかかった時間に
一定の金額をかけて算出するタイムチャージ方式と
最初に着手金を支払い、
事件が終了したら報酬金を支払う着手金報酬金方式の
2種類の方法があります。

日本のほとんどの弁護士は、
訴訟に関する弁護士費用は、
着手金報酬金方式で、請求していますので、
着手金報酬金方式について説明します。

着手金とは、仕事の依頼をするときに支払う費用で、
訴訟に負けても戻ってこないお金です。
弁護士に訴訟を依頼する場合には
最低限着手金が必要になります。

報酬金は、事件が終了したときに支払うお金で、
訴訟をやった結果、得をした、
成功した場合に支払うものです。

訴えられた場合の弁護士費用の計算方法は、
相手方の請求金額に基づいて計算します
(計算式は僕のホームページを参照してください)。
相手方が1000万円を請求してきた場合には、
着手金は1000万円×5%+9万円=59万円(消費税別途)
となります。

報酬金はどうやって計算するかというと、
相手方の1000万円の請求に対し、判決で勝訴し、
相手方の請求は全く認められなかった場合
これは訴訟により1000万円の利益を得たことになりますから、
報酬金は、
1000万円×10%+18万円=118万円(消費税別途)
となります。

訴訟の途中で300万円支払って和解した場合には、
700万円の支払を免れたことになりますから、
報酬金は、
700万円×10%+18万円=88万円(消費税別途)
となります。

訴訟をやった結果敗訴し、
1000万円を支払わなければならなくなった場合、
訴訟をして全く利益は得ていませんから、
報酬金は0円となります。

着手金と報酬金は別で、
着手金の他に報酬を支払わなければなりません。
1000万円全部免れると、
着手金と報酬金と合わせて
177万円も支払わなければなりません。
訴訟には、お金がかかります。


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