第216回
訴訟の前に調停・仲裁という方法もあります。
相手が代金を支払わない場合、
法的措置と言えば、
代金の支払いを求める民事訴訟を起こして、
判決を取って強制執行をすることです。
訴訟以外にも、調停や仲裁という方法があります。
調停は、裁判所で、調停委員という人2人が間に入って、
当事者双方の事情を聞いて、
当事者双方が納得するような案で
話し合いをまとめる手続きです。
簡易裁判所に申立をします。
調停は、裁判所という場所で、
調停委員という裁判所から選ばれた人が
間に入って話しをまとめてくれるので、
当事者だけで話し合うよりは、
話し合いがまとまる可能性は高くなります。
厳密な手続きは必要ないので、
弁護士を使わなくても
自分ですることができるというメリットがあります。
また、調停で話し合いがまとまると、
判決と同じように約束違反の場合強制執行が
できることとなります。
しかし、調停はあくまでも話し合いの手続きなので、
相手方が調停の席に出てこない、
あるいは、法律上通らないようなことでも
頑固に主張して減額を要求したり、
長期の分割払いにしか応じない態度を取ったりすると、
調停はまとまりません。
しかも、裁判になったときには、
最初からやり直しということになります。
仲裁というのは、
みなさんなかなか聞いたことがないと思いますが、
調停と同じような手続きです。
仲裁人という人が間に入ってくれて、
話をまとめてくれる、
話し合いがまとまらない場合は、
仲裁人がこういう案で解決しなさい
という決定を出してくれます。
仲裁は、裁判所でなく、
弁護士会などで行っています。
弁護士会で行っている仲裁は
弁護士が間に入ってくれるのです。
仲裁も、基本的には話し合いの延長で解決する方法です。
だから、相手方が応じない場合には、解決できません。
ただ、こちらと、相手方が、
話し合いの結果を聞いた仲裁人が出した案で
納得するという合意をした場合には、
仲裁人が出した決定が判決と同じく
最終的な解決ということとなります。
あまり費用をかけずに、
間に裁判所や弁護士に入ってもらい
自分と相手方の話し合いで解決してみたいという人には、
調停や仲裁が有効かもしれません。
■今週の宿題 ■
Aが取引先Bに対し100万円の売掛金を持っています。
取引先Bがお金を持っていないけれども
Cに対して売掛金100万円を持っていた場合、
AはBに代わって、Cに対し
Bの100万円の売掛金請求権を行使することができる。
○でしょうか? ×でしょうか?
お答えをお待ちしております。
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