第212回
公正証書の書式内容を説明します。

金曜日は、「弁護士の話」をしていましたが、
しばらくお休みします。

さて、昨日、公正証書の文面の書式を掲載しました。
今日は、その内容を説明します。
昨日の書式を見た方がわかりやすいと思います。

まず、取引が複数ある場合は、
いつのどの契約についての合意か
はっきりさせる必要があります。
書式では、○年○月○日付売買契約という方法で
特定しています。

次に、1で、いくら残っているか総額の確認をします。

そして、2で、その総額を一括なら一括で、
分割なら分割で、いつまでにどのように支払うのか書きます。
書式は分割払いの例です。
普通の人が作成すると、
いつまでにという期限が
抜けてしまうことが多いようです。
それから振込みなのか、
現金持参なのかもはっきりさせる必要があります。

3は、遅れた場合のペナルティです。
書かない場合でも、
遅れた場合は個人同士の場合年5%、
会社同士は年6%の利息が付きますが、
公正証書に書いておかないと
改めて裁判をやって判決を取らなければなりませんから、
書いておきましょう。

4は、分割払いにした場合に、
どんなことをしたら分割でなく
一括払いになるか書いています。
これを期限の利益喪失約款と言います。
この規定がないと、
分割払いの約束が守られない場合に、
残額全部について強制執行ができなくなってしまいます。
公正証書の場合は、公証人が入れてくれると思いますが、
普通の人が単に分割払いの合意書を作成するときには
忘れがちなので、注意してください。
一括払いの場合は、この規定は要りません。

5が強制執行認諾条項といって、
これがないと公正証書にしても強制執行ができません。
公正証書への記載事項は、
基本的にこれだけなので、
そんなに難しいことではありません。

分割払いの合意をしたときにも、
口頭の約束でなく、
このような合意書を交わしておくことが望ましいです。


■今週の宿題 ■
30万円以下の請求の裁判は、
第1回で終了させることができる。
でしょうか? ×でしょうか?

お答えをお待ちしております。


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2003年7月11日(金)

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