第209回
公正証書にしておくと弁護士費用が節約できます。

昨日、代金の支払について、
公正証書にしておくと
裁判がいらなくなるという話をしました。

裁判がいらなくなると、
いろいろいいことがあります。
まず、裁判にかかる費用が不要になります。
裁判にかかる費用としては、弁護士費用と、
裁判所に納める印紙代・切手代があります。

1000万円の代金請求の場合、
弁護士費用は、弁護士報酬規程によれば、
最初に支払う着手金が59万円、
報酬金が118万円かかります。
300万円の代金の請求の場合、
着手金が24万円、報酬金が48万円かかります。 
僕のホームページの弁護士費用を参考にしてください。

裁判所に支払う印紙代、切手代は、
1000万円の場合6万4000円、
300万円の場合で2万9000円がかかります。
公正証書にしておくと、これらが節約できるわけです。
ただ、公正証書にするにも費用がかかります。
300万円の場合で1万数千円、
1000万円の場合約2万円くらい必要ですから、
裁判費用に比べれば、
かなり少ない費用で済みます。
それに、裁判をしたことがある人ならご存知だと思いますが、
裁判には時間と労力がかかります。
公正証書にしておくことで、
これらがすべて節約できるわけです。

それから、公正証書になっていると、
相手の財産がわかったときにすぐに差し押さえができます。
代金を支払わない会社は、
一般にあまり儲かっていない会社が多いです。
だから、預金がある、
どこかに売り掛けがあるなどとわかったときに、
すぐに押さえないと、裁判をやっているうちに、
回収して使われてしまうおそれがあります。
それを防ぐために、
仮差押という制度があるのですが、
これも証拠をそろえたり、
担保を積んだりと面倒な手続きが必要です。
したがって、公正証書は、
債権回収ではかなり有効な方法です。

代金の支払いが遅れて、
ある程度の額になったときに、
分割払いの約束をすることも多いと思います。
そういう場合には、
公正証書にしておくことをお勧めします。


■今週の宿題 ■
30万円以下の請求の裁判は、
第1回で終了させることができる。
でしょうか? ×でしょうか?

お答えをお待ちしております。


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2003年7月8日(火)

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