第183回
債権者は会社に対し決算書の閲覧・謄写を求めることができます。

先週の宿題は
株式会社や有限会社に
売掛金を持っているときには、
会社の決算書(貸借対照表や損益計算書)を
見せるよう要求することができる。

○でしょうか? ×でしょうか?
という問題でした。
答えはです。

お金を貸している人や
売掛金を持っている人のように、
相手方に請求する権利を持っている人を債権者と言います。
そして、債権者は、株主と同様に
決算書の閲覧を請求することができるんです。
これは、商法282条2項に書いてあります。
閲覧だけでなく、謄写(コピー)も
請求できることとなっています。

閲覧・謄写の請求に対し、
正当な理由もないのに
閲覧や謄写させることを拒むと
100万円以下の科料(罰金のようなものです)を
払わなければなりません(商法489条1項3号)。
一般にあまり知られていないためか、
使われていないような気がします。

僕は、事件処理のときに、
相手方が株式会社であるときは相手方に対し、
決算書を求めることもあります。
買主が「お金が払えない。」と言ったら、
「じゃあ、決算書を見せてください。」と言えるわけです。

ちなみに、有限会社に対しても、
有限会社法42条の第2項で
決算書の閲覧・謄写を請求することができます。
有限会社でもこれを拒むと
科料という罰を受けることになっています
(有限会社法85条1項3号)。


■今週の宿題 ■
同じ無銭飲食でも、
最初から代金を支払うつもりがないのに
注文して飲食して逃げた場合は詐欺罪となるが、
お金も持っていて最初は代金を支払うつもりで注文したが
飲食後支払うのをやめて逃げた場合は詐欺罪とならない
でしょうか? ×でしょうか?

お答えをお待ちしております。


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2003年6月2日(月)

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