第178回
署名は自分で書く場合、
記名はそれ以外の方法の場合のことを言います。

先週の宿題は
よく契約で出てくる署名捺印は
自分で書いて印鑑を押すこと、
記名捺印は自分以外が書いて
印鑑を押すことである。
○でしょうか? ×でしょうか?

という問題でした。
答えは、です。

署名は自分で名前を書く場合で、
記名はそれ以外の方法で
名前を書く場合のことを言います。

宿題には「書く」と書いたので
紛らわしかったのですが、
判子で押したり、印刷したりしてある場合も、
本人以外が書く場合で、記名捺印に当たります。
署名捺印でも記名捺印でも法律上は同様に有効なので、
あまり厳密に考えなくてもかまいません。

ただ、署名の場合は筆跡などから本人が書いた、
即ち、本人の意思に基づいて
契約したことが明らかですが、
記名捺印の場合は、本人が承諾したのか、
誰かが勝手に書いたのか、
即ち、偽造なのかが問題になりやすいです。

通常、個人と取引をする際には、
本人に署名捺印をしてもらうのが普通でしょう。
これに対して、会社と取引する場合は、
代表取締役が署名捺印することは少ないです。

会社の署名捺印は、
会社名と代表取締役の肩書きと
代表取締役の名前を代表取締役が
自分で書くことを言います。
会社の場合は、
いちいち代表取締役が署名捺印をするのは面倒なので、
会社名と代表取締役の肩書き、
代表取締役の氏名の入った社判と
代表印を押す記名捺印の方法が取られています。

取引を承諾したかどうか
後で揉めることを考えると、
個人と取引するときは、
本人に署名捺印してもらった方がいいでしょう。


■今週の宿題 ■
株式会社や有限会社に売掛金を持っているときには、
会社の決算書(貸借対照表や損益計算書)を
見せるよう要求することができる。
でしょうか? ×でしょうか?

お答えをお待ちしております。


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2003年5月26日(月)

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