第170回
前金でもらえば代金回収の問題は生じません。

物を売るときに、代金回収について、
一番確実なのは、前金で代金をもらうことです。
でも、商品の引渡やサービスの提供をする前に
代金の支払を受けることは普通は無理です。
みなさんも、「前金で受けられるのであれば苦労しないよ。」
というかもしれません。

しかし、前金で支払を受けられれば、
代金回収について、
代金不払いのリスクを負うこともないし、
労力や費用をかけなくて済むのです。

だから、現在事業を行なっている人、
あるいはこれから事業を行なおうとする人は、
自分の提供する商品やサービスは
前金で代金を取れるか検討する価値は十分あると思います。

私の記憶違いでなければ(間違ってたらごめんなさい)、
以前、セコムの方が日経新聞の「私の履歴書」に、
債権回収で苦労したので、
自分で商売するのであれば
前金で代金をもらえる商売にしよう
と考えたと書いていたと思います。
前金で代金をもらうのは、なかなか難しいですが、
契約は力関係です。

相手がどうしても(前金で支払っても)、
そのサービスを受けたい、
あるいはその商品を買いたいという理由があれば、
前金で代金をもらうことも可能です。

それから、前金を支払っても、
確実に商品を受け取れる、
あるいはサービスの提供を受けられると
相手から信頼されれば
前金で代金を支払ってもらえる可能性が高まります。
これは、なかなか新しいできたばかりの会社では難しいです。
信用というのは、
もちろん一定期間の事業の結果の積み重ねだからです。

この点については、
返金についての保証をつける方法や
有名な企業の支援を受ける方法などで
ある程度前金をもらいやすくすることは可能です。
その業界の慣習にもよりますが、
前金で代金をもらうことを検討する価値は十分あります。


■今週の宿題 ■
売買契約は、契約書など書面を交わさなくても、
口約束で十分有効である。
でしょうか? ×でしょうか?

お答えをお待ちしております。


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2003年5月14日(水)

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