第144回
駐車場に借地借家法の適用はありません。

先週の宿題は
駐車場を借りています。
期間満了を理由に貸主から明け渡しを求められました。
借主は明け渡さなければならない。
○でしょうか？×でしょうか？
という問題でした。
答えは○です。

建物賃貸借契約の場合には借地借家法で保護されていて、
定期借家契約以外の場合には、
期間が満了するといってもなかなか貸主は
立退きを求めることはできないという説明をしました。
（第１２９回）

土地を借りる賃貸借契約の場合でも、
土地の上に建物を建てて利用するときには、
借地借家法で保護されているので、
契約期間が満了したとしても
借主は引き続き借りることができます。
ところが、土地の賃貸借では、
例えば駐車場のように建物を建てて利用する以外の場合には、
借地借家法の適用はありません。
だから、期間満了を理由に、
駐車場の明け渡しを求められた場合には
それに従わざるを得ません。

事務所や店舗といっしょに駐車場も借りる場合には、
「事務所や店舗の賃貸借契約が続く限り
駐車場の賃貸借契約も続く」
というような契約にしておきましょう。
あるいは、駐車場の契約を長期の契約にしておくとか
万が一の場合代わりの駐車場があるか
検討しておく必要があります。
そうでないと、店は繁盛しているのに
店の近くの駐車場がなくなってしまって
営業に支障が出てしまうということにもなりかねないからです。

今回も読者の質問を基に宿題を出してみました。
ただ、読者からの質問には一般論でしかお答えできません。
ここで僕がだめだと言っても他に方法があるかもしれないし、
ここで僕が大丈夫だと言ってもだめかもしれません。
事情が違えば結論が逆になる場合もあります。
個別の法律相談は、法律相談料を支払って
弁護士に相談してください。
結構ご自分が抱えている問題の
相談のメールをいただくことが多いです。
でも、無料で個別の法律相談に
回答することはしていませんので、
その点はご理解ください。