第54回
破産しても普通の人に不利益はありません。

先週の宿題は、
破産したら戸籍に載る
破産したら会社をクビになる
破産したら永久に取締役になれない
○でしょうか?×でしょうか?

という問題でした。
答えは、いずれも×です。

破産しても、戸籍には載りません。
ただし官報という国が出している新聞には掲載されます。
でも、この官報を読んだことがある人は
みなさんの中にはいないのではないでしょうか?
弁護士である僕でもほとんど見たことがありません。

破産しても会社をクビになったりしません。
破産は就業規則上解雇事由には書いていないのが普通です。
就業規則に解雇事由として書かれていたとしても
裁判上認められるかは微妙です。
実際上も、破産したことは、会社に通知されませんので、
会社は破産したことを知りようがありません。
だから、破産してクビになることはありません。
ただし、保険の外務員、警備員は、
破産すると資格を失いますから、クビになる可能性があります。
ちなみに、弁護士、会計士、
会社の取締役も破産すると資格を失います。

破産したら永久に取締役になれないわけではありません。
上に書いたとおり破産すると取締役は辞めなければなりません。
でも、破産手続きには、免責という制度があって、
免責を受けると、取締役になったりすることができるのです。
もちろん、弁護士、会計士などにもなれます。
したがって、破産しても、
永久に取締役になれないわけではないのです。

破産することによる不利益は、ほとんどの人はありません。
ただ、破産すると前に説明したブラックリストに載りますから
金融機関からお金を借りられなくなったり、
キャッシュカードが使えなくなったりします。
借金を踏み倒したのですから、これくらいは仕方ないでしょ。
でも、それくらいしか不利益はないのです。

破産したくなりました?


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2002年11月11日(月)

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