第88回
店造りが始まった その3
85日前 繁盛請負人=コンサルタントです
松井さんの失敗は次の通りでした。
(1)製氷器の能力が最大客数の使用量に満たない
(2)ケーキケースの位置が顧客動線と逆
(3)パンを焼くオーブンのメーカー選定
(スチームが出ないタイプを選んだ)
(4)食器収納やテイクアウトの包材の量とサイズを考えていない
(5)エスプレソマシンのコーヒーの
カス受けの機能を考えていない 等々
設計士と云っても同じ業種の店を
100店も作った人は少ないのです。
一番大切なのは経験です。
経験がないから経験をした人に聞くのです。
今回の失敗の原因は仕事が忙しいとの理由で
質問をおこたった厨房設計士さんにあります。
厨房は内装デザインよりずっと大切です。
厨房は店の心臓です。
松井さん改めて芝さんに
仕事へのかかわりをお願いしました。
ストアコンセプトは店を利用する側の立場
(マーケットイン)で考えるのが正しいのです。
しかし現実の店づくりの基準と手順作りは
失敗した経験(プロダクトアウト)が大切になります。
あえて成功と云わず失敗と云ったのは
失敗の内に成功が見えて来るからです。
芝さんの出した指示はさすがにポイントをついたものでした。
2日後に修正された設計図は
チェーン店と勝るとも劣らない機能と
合理性を持っていました。
なによりも礼を云ったのは
厨房メーカーの若い設計士でした。
そして後日、芝さんが出したコンサルタントフィーは
松井さんがびっくりする程安い金額でした。
ストアコンセプトは最も安い単価でした。
芝さんはこう云いました。
「フランチャイズチェーンの加盟金+保証金より高かったら
チェーン店に入った方がメリットがあるでしょう。
一緒に汗をかいてくれる方だからこれで充分です」
『ドトールコーヒーショップのコーヒーマシンは3台
最大販売量を求めれば必然性は合理性になるからだ』
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