第66回
ストアコンセプトの実際 その11
105日前 競合店の情報はこう調べる(1)
市場調査の最後のポイントは、
市場の大きさと競合店の調査です。
松井さんは不動産業の友人から
耳よりな情報を入手しました。
ある日、友人の店舗に
市場調査を専門にしている会社の人が来て
いろいろとその街の情報を交換している時に、
車に使われるナビゲーションシステムと同じ様な方法で
その街をパソコンに写し出し、
その街の商業に関する情報を
瞬時に見られるシステムがあると云う話を聞いたそうです。
これが本当なら松井さんが1週間
汗と忍耐で行った市場調査が1分で出来る事になります。
もっと詳しい話しを聞きたくて
松井さんはその市場調査の会社の
沼子さんと云う30代の才気あふれる人にあったのです。
沼子さんは海外に長く住んだことがあり
語学も堪能な人で外食産業の会社で
企画を経験した事もある方でした。
この会社が持っている市場調査システムは、
任意の地点を半径で囲み、その円にある
(1)商業統計(商店数、売上高)
(2)住民台帳による人口数及び世帯年収平均
(3)特定の業種の所在マップ
(4)主要交通機関の乗降客数
(5)就業者数
(6)家計調査(外食費や食料費、特定食料、嗜好品の支出額)
(7)道路の通過台数、平均速度
等がすぐ見られるのです。
店前通行量の実測以外は
ほとんどその街の商売のポテンシャルが分かります。
しかも他の地域との比較も瞬時に出来ます。
このシステムを最も有効に利用したのがマクドナルドで、
そのソフトウェアを発展させた専門会社が出来たのです。
ある大手の外食産業が独自に開発しようとしたシステムは
当時4億円かかると試算されましたが、
現在は何と100万円台で基本ソフトが買えるようになりました。
コンピューター恐るべしです。
『経済資源が変わる、人、金、物に情報の4大資源になった』
|