第65回
ストアコンセプトの実際 その10
105日前 潜在対象顧客数=住民基本台帳+就業者人口
芝さんは店前通行量調査を終えて
ホッとした松井さんに
再び別の調査を指示したのです。
それは店舗を中心とした
4つの方向の商圏の潜在対象顧客数を
東京都庁と渋谷区役所に行って直接調べる事でした。
不動産業をしている松井さん。
この2つの調査はお手のものです。
その日の内に資料はそろいました。
まず東京都庁で調べたのは
「就業者人口」と云う調査で
東京都の各市、区、町の各町名別の
業種別の就業者の数を調査したものです。
東京都以外の各府、県でも
ほぼ同様の資料を定期的に作って
公報していますので参考にして下さい。
区役所で調べたのは「住民基本台帳」です。
各町名別の人口を、男女、年令別に分類したものです。
就業者人口の大半が昼間に他の所から流動してくる人です。
住民基本台帳の過半数が昼には外部に出て行きます。
混在対象観客数は就業人口から
外に出る住民の人口を引いた「昼間人口」が基本となります。
半径300kmを第一次の
一番強い自店の商圏と考えて来たのが
今までの商圏のセオリーでしたが、シビアに考えると
商圏をただ半径でくくるのは無理があります。
線路や道路で分断された地域では
徒歩が主体の大都市の場合では、
同じ半径内でも利用率が大幅に減るからです。
むしろ大切なのは
自店の「真うしろ」の商圏の深さです。
小さな流れが集って大きな河になる様になるからです。
松井さんは自店の前を通る人が
どの町名の所まで歩いていくのか実際に調べ、
扇状に広げた地域の人口を
潜在化対象顧客としました。
その数は何と23000人にも達したのです。
『自店の商圏は半径の円ではない。
自店の後ろの扇状の巾と深さで強さが決まる』
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