第52回
タイムリミット150日の記録 その7
150日前 恵比寿の土地の再思考

斎藤さんの話はさらに続きます。
まだこのプロジェクトに転属する前、
不動産業務のカウンターにいた頃、
良く飛び込みの開発担当の人が
物件はないかとたずねて来たが特に熱心だったのが
「ベーカリーカフェ」の大手チェーンだった。
その人が良く云っていたのは
恵比寿はビジネス街と繁華街と住宅地が
これ程理想的にマッチしている場所はない。

朝はコーヒーと焼き立てパンのビジネスマン、
昼は住宅地の人達のランチと翌日のパンの買い出し、
夜はOLや恵比寿に遊びにくる人の待ち合わせ、
オールラウンドに使える。
何よりも競合店が少ないのが
メリットだと云ったと云うのです。

松井さんの恵比寿に対する考え方は一変しました。
恵比寿と云えば
「ガーデンプレイス」とばかり思っていたのですが、
実は商業的には渋谷寄りの駒沢通りから
代官山の方の地域の方が
商業的にも魅力があると知ったのです。

確かに渋谷寄りにある駅ビルは
一日中人であふれています。
松井さんの物件はその渋谷寄りの改札口から
すぐの場所だったのです。

松井さんは当初カフェの展開の業態に古くからある
恵比寿のルノアールの様な商談や待ち合わせに使える
オーセンティックカフェと云う
フルサービスの店舗を考えた時があります。
フルサービス型の喫茶店は
ルノアールしか駅前にはありません。
しかも大繁盛の店なのです。
松井さん達は町内地図を用意し、
自社の500m以内のカフェの所在を示す
カフェマップを作成する事にしました。
この作成に何と1週間かかったのですが
その結果びっくりする様な事実が発見されたのです。


『全ては現場、現実、現物の三現主義の実践にある』


←前回記事へ 2003年5月2日(金) 次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ