第42回
カフェの今を知る その17
小さな自家焙煎店が2kmの商圏から全国に
自家焙煎の店はカフェを併設するか、
試飲程度のカウンターにするかに大別されます。
横浜にある「珈琲問屋」は後者の方ですが、
現在では立ち飲みスタイルのカフェを併設しています。
この店の特徴は、
お客様が好みの生豆をストレート(単品)で選んだり、
好みのブレンドを指定して、焙煎してもらう方式です。
焙煎に必要な焙煎時間、
温度がキチンと明記されていますので、
お客様の信頼度は抜群のものがあります。
前回のサザコーヒー同様、
珈琲問屋は決して一等地ではありません。
横浜から相鉄線で3ッ目の天王町駅の近くの
商店街の中心から離れた所にあります。
一日一人の固定客(数年に一回利用するお客様も固定客です)
創りを経営者佐藤さんが先頭になって頑張った結果です。
店の朝は前日のお客様の注文品で
足の置き場所がない程あふれています。
一つの包装紙の単位は500g以上、
中には数kg単位の袋があります。
ほどなくお客様が商品を引き取りに見えます。
カフェでコーヒーを一杯飲んで
複数の人の買出しが入っているかを確認し、
店の人に挨拶して出ていかれます。
一体この店はどの位のお客様のカードを持っているか
想像もつきません。
珈琲問屋の佐藤さんは
かつてコーヒーメーカーに勤務した事があります。
独立する時、同じコーヒーメーカーの販売戦略を採らず、
製造・小売の道を選びました。
それは毎日毎日を自らを一番厳しい環境に置く事で
退路を断つ方法だったのです。
その厳しい環境とは
「新鮮で美味しく、誠実な売り方」でした。
もの珍しさで始めは買ってくれる、
本当の商売は二度目に買いに来てくれた時商売は成り立つと
佐藤さんは知っていたからです。
『固定客とは数年に一回利用するお客様の事を云う』
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