第15回
カフェの経営資源 その7
儲けの構造を創り出す(2)
この20年、喫茶店は減り続けました。
都市生活者のライフスタイルに合わない店の業態も
その原因ですが、
一番は儲けの構造を持てなくなった事が一番です。
低い原材料費率、パートタイマー、
アルバイトで運営出来る低人件費率、
一等地でも低かった家賃ゆえ低い家賃費率、
だれでも儲かった喫茶店時代は昭和55年をピークに
フードメニュー強化、モーニングメニュー、
ランチメニューが主力販売になって原材料費率と時給の上昇、
何よりもバブル期に急上昇した家賃
この三重苦で大都市から消え、
かわりに急成長したのが、セルフサービスカフェです。
セルフサービスが成長した理由は
高い営業利益率があったからです。
それは新しい儲けの構造FLRコスト70%が達成出来たからです。
「交差原材料費率」と云う経営に必要な公式があります。
このページでも今后しばしば出てくるのでしっかり覚えて下さい。
交差原材料費率=販売構成比率×原材料費率 がこの公式です。
原材料費率はこの販売構成の項目の総和となります。
例を上げると
(1)ドリンク部門 販売構成比率60%×原材料費率20%
60%×20%=12%
(2)フード 部門 販売構成比率40%×原材料費率50%
40%×50%=20%
この店の原材料費率は12%+20%=32%になります。
セルフサービスカフェは150円〜180円でコーヒーを販売しながら、
ファーストフードより低い原材料費率におさまっています。
人件費は25%とするとFLコストは58%、
新しい儲けの構造のFLR70%とすると
家賃費率は12%まで支払えます。
これなら家賃で30千/坪の一等地にも出店出来ます。
そしてもっと強力な儲けの構造を持つ業態が生まれました。
コーヒーの価格を280円以上とした
「好立地耐高家賃型」のカフェです。
原材料費はコーヒーのコストが下がったおかげで
25%以下人件費率を25%とするとFLコスト50%、
これだと何と家賃費率は20%まで支払う事が出来ます。
坪当り5万/坪の高い家賃の超一等地に
出店できるようになりました。
表1は今主力となっているセルフサービスカフェが
家賃をどの位の上限まで出店出来るかを示しています。
『立地の良し悪しは、原材料と同じである。
保証金の高さは商売の保証に比例する』
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