第14回
カフェの経営資源 その6
儲けの構造を創り出す(1)

30兆円の売上を持つ外食産業で
売上トップのマクドナルドでも市場占有率はわずか1%台です。
いくらディスカウントしても一日三食の体は
それ以上必要ないのです。
この市場占有率とプライスリーダーと云うロジック(論理)が
小売市場の様に使えないのが外食産業の魅力でもあるのです。

しかし外食産業の企業が株式を公開し上場する時には、
きちんとした経営指標が必要となり、
製造業や小売業と肩を並べなければなりません。
その経営指標の一つに
「原材料比率(F)フードコスト+
人件費率(L)レイバーコスト=60%」と云う指標がありました。
ファミリーレストランならフードコストを33%、
レイバーコスト27%=60%
ファーストフードではフードコストは35%、
レイバーコストは25%=60%がその主流でした。
喫茶店のルノアールチェーンが株式を公開した時は
抜群の低いフードコストが評価されました。

この「FLコスト60%」と云う公式は
長く外食産業で成功するドグマ(教義)として
採用されてきました。
しかし私はこのFL60%と云う固定公式に疑問を持っていました。
多くの企業はこのFL60%を採るなら
次の大きな経費は「家賃費率」をいくらにするかは
おのずから10%をノーマルとし、
許容限度は売上高の15%になってしまいます。

しかしデパートの内に出店をしようとすると、
家賃費率は最低でも15%から23%位かかります。
FLコスト60%に15%から23%加えると
75%から83%までなってしまい、
これに光熱費や消耗品と云った店舗運営や
維持に必要な販売管理費の10%〜14%を加えると、
経営者の報酬や会社の維持費に必要な利益が確保出来ません。
デパートの場合は営業時間が短い為
実質的な人件費が20%台となる為やっていけるのです。
こうした事から、FLコスト60%適性家賃率10%と云う考え方では
カフェの経営には合わないと考えたのです。

家賃費率は新しい主要コストと考えて、
家賃費率10%と云う概念をやめて、
フードコスト(F)+レイバーコスト(L)+
レンタルコスト(R)=70%
を新しい儲けの構造にした方が現実的です。
「FLRコスト=70%」と云う新しい公式で
カフェは一大発展をとげるのです。


『概念は時に一から壊し、一から組み立て直す必要がある。
それは改善(エボリューション)から始まり
その現実の革命(レヴォリューション)によって成立する』


←前回記事へ 2003年3月11日(火) 次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ