第72回
ブランドケーエイ学26:環境マーケティング。

お弁当などをコンビニで買い物すると、大量にゴミが出る。多くがプラスチックなどの、捨てづらいゴミだ。あれ、なんとかならないものだろうか・・・

いまでは多くの会社で「再生紙使用」名刺を使っており、会社案内には環境貢献のページが必ずある。葉っぱ的なマークもよく見かける。環境マーケティングも一巡し、現在では、単純な「エコラベル」的な商品では差別化しづらい。
ゴミの分別とかリサイクルにも熱心で、エコを商品選択の基準にしている消費者もいると思う。しかし冷めた消費者には、エコ商品も企業側のご都合「どうやったら売れるか」の1バリエーションに見える。

じっさい多くの環境対策は、「いいわけ」にすぎなかったのではないだろうか。
たしかに再生紙を使っているのだろうし、森林再生に援助もしているのだろうが、それがいまの企業規模にふさわしいのか、効果的なプロセスで行われているか、ぜんぜん実証されていないのである。
大量製造し大量に廃棄させている一方で、会社案内だけ再生紙を使っても量的におっつかない、とだれでも気づく。環境マーケティングは、現在ではもう一段、高いレベルのものが求められているはずだ。

ブランド大切にしようとする企業ならば、誠実にやるしかない。ある会社では、オフィスのゴミ箱が10数個に分別されてあり、社員を悩ませていた。もしわが社にそれを置けば、ゴミ箱だけでオフィスの半分を占領する。

見えない部分でもエコをやらなければならないとすると、だいたいコストの問題にぶつかってしまう。それでもやるか、というところが企業姿勢になる。
「いいわけ」的な、販促策にすぎない環境対策をしてるのが「ふつうの企業」の実態かもしれないが、ふつうの企業といえども、環境に負荷をかけて平気でいられるわけがない。コストと環境対策を両立させる「イノベーション」が欲しい。

牛乳のテトラパックは、現在の角形パッケージに比べれば、かなりエコな商品だったと思うが、コンビニの棚に置きづらいために、今では駆逐されてしまった。環境保全という観点で、コンビニ業界にはまだまだイノベーションの余地があるのではないだろうか。


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