第24回
カネ・カネ・カネのケーエイ学6: がんばれ銀行。
わが社の取引銀行は、地方銀行だ。
東京に事務所を借りるとき、契約時に100万くらいの現金が必要だった。
まあ、東京でおろせばいいや、とキャッシュカードだけをもって、
飛行機に乗ったが、現地のATMで現金をおろすことができなくて、困った。
法人のキャッシュカードは、他行のATMでは使えない。
他行の機械でおろせるのは、個人だけだという。
聞いてみると、都市銀行でも同じようなものだそうな。
銀行は、与信(カネを貸すこと)、受信(カネを預かること)と、
決済が3大機能だったはずだが、それぞれの機能がだんだん低下している。
金利が安いから預けてもカイがないとか、
業績のよくない会社に貸してくれないとか、
このご時世だから、当然かもしれない。
しかし、決済の機能が低下しているのは、けっこう深刻ではないだろうか。
15年くらい前、証券業界と銀行業界が、境界線あらそいをしたことがあった。
銀行のエライ人たちは「決済こそは、銀行の本来業務であって、
証券会社にこれを許すわけにはいかない」と、主張していたはずだ。
いまでは公共料金の支払いはコンビニやクレジットカードを使い、
商品代金はヤマト運輸に回収してもらったりする。
商業手形も、ファクタリング会社が実質的に、
支払いと割り引きを肩代わりするようになっている。
電子マネーが普及すれば、インターネットはあらゆる可能性があると
何年も前から盛んに言われていたけれど、この電子マネーが全然でてこない。
インターネットの決済は、クレジットカードで解決しているかのようだが、
少額決済が残っている。
200円払うために、いちいちクレジットカード番号を入力させるのは難しい。
携帯電話には少額決済がある。電話会社が確実に決済代行してくれるからこそ、
月300円の有料サイトが高収益のビジネスになっている。
インターネットで少額決済ができるようになれば、
もっともっと新しいビジネスが育つはずだが、この制度がなくて足踏みしている。
銀行には、もっともっとがんばって欲しい。
時代にあった少額決済を、ぜひ提供して欲しい。
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