第16回
ブランドケーエイ学3: もいちど値付け。
千歳空港から札幌まで、JRで40分くらいかかる。料金は1040円。
高いし、切符を買うときにいつも、この40円って何だろうな、と思う。
コスト主義というか、比例主義というか、ある種の信念に貫かれた価格である。
バスなら820円なのだが、50分くらいかかる。
10分か15分と引換えに220円節約しようかと、ときどき考える。
JRの方では、バスと競争しているとは、あまり考えていないのかも知れない。
札幌では、大型ゴミを出す時は、有料チケットを買わなければならない。
ゴミの種類によって値段が違い、
200円・500円・900円・1300円・1800円となっている。
この価格体系のおかげで、ゴミを出すときに一回いっかい値段を確かめ、
個別にチケットを買いに行かなければならない。
チケットを買い間違えたら、まず無駄になってしまう。
同じようなゴミを出すことはしばらくない。
せめて250円・500円・1000円・・・と250円きざみだったら、
どんなに便利だろう。
取次店では扱うチケットの種類が少なく済むし、
我々の側では250円券を買い置きして、
組み合わせてどんなゴミでも出すことができる。
市民がチケットの買い置きをするということは、
それだけ市も、資金繰りが楽になるはずだ。
誰が考えたのか、ダルな価格設定である。
定食屋で、ランチを食べようとする。
780円のもの、850円のもの、880円のもの、980円のものがあったりする。
この微妙な価格差。ある種の誠実さのあらわれなのかもしれない。
昼飯を注文するたびに、
「うーん、これたべようかな。でも100円節約しようかな・・・」
などと迷わせる。
「この人、おごってくれるのかな? だったら少し遠慮しとこうか・・・」
悩んでいるうちになんとなく惨めな気持ちになるし、時間もロスする。
客の多くは、価格にふさわしい価値=満足を求めているのであって、
原価に正確な価格を求めているわけではない。
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