第35回
損益計画と収支計画
当然のこととはいえ、
なにがなんでも無借金!ということではない。
「ココっ!」と思えば、
借りてでも突っ込むのが経営判断というものだし、
そういう攻めの姿勢が会社を大きくしていくのも事実だ。
ただ、お金を借りて投資する場合には、
きちんと計画を立ててからやったほうががいい。
確かに、社長の勘もたいしたもんだと思うこともあるが、
いい加減に行われた投資は、破綻を招くケースが多いのだ。
そこで必要となるのが
損益計画と収支計画である。
損益計画とは、
どれくらい収益が増加して、
どれくらい費用が増え、
結果として利益がどれくらい出るのか?
ということを示すものだ。
一方、収支計画とは、
どのくらいの収入があって、
どのくらいの支出が見込まれ、
そして現預金がどのくらい残るのか?
ということを表すものだ。
つまり、
一方は利益に、もう一方は現金に、
という具合に、
両者は着目するポイントが異なるのだが、
利益を生みだすのも売上であるし、
現金も売上から生みだされるわけだから、
両者は密接な関係で結ばれていることになる。
よって、この推移を見誤ると、
利益は出ても現金が足らないということが起きて、
会社がまわらなくなってしまうのだ。
例えば、70円で仕入れたものを90円で売る。
仕入れについては、今月20円、来月50円を支払うことにする。
売上については、毎月30円づつ分割でもらうことにする。
この条件下では、利益としては20円が確保されるものの、
来月の現金残高が△10円になってしまう。
これは現実的に、
仕入れ代金の50円が支払えないことを意味するのである。
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