お菓子や軽食風の料理を、中国では点心と呼びます。
飯類、麺類、餃子類などが
塩辛い味の咸点心(シェンティエンシン)、
甘いお菓子や糖菓類が甜点心(テイエンティエンシン)です。
広東ではとくに点心の種類が多く、飲茶という習慣があります。
これは、中国茶とともに軽い食事をとるもので、
飲茶専門の店もたくさんあるほどです。
●炒飯はよく炒めて香りを出します。
冷たくなったご飯を炒飯にすることが多いようですが、
むしろ、堅めに炊き上げた炊きたてのご飯で作るほうが
おいしくできます。
冷たいご飯は固まっているので、かえってやりにくいのです。
まず、細かく切ったねぎをよく油で炒めて、
ねぎの香りを出します。
どんな炒飯でも、ねぎは必ず入れます。
ねぎの香りは炒飯には欠かせません。
ご飯を入れたら、なるべくよく炒めます。
こうするとご飯が香ばしくなるのです。
味つけは塩が基本、
しょうゆは少なめにして、香りをいかす程度にします。
具を入れるときは、まず先に具を炒め、水けを抜いておきます。
とくに卵は先に炒めます。
ご飯を入れてからでは、卵はうまくパラパラにならず、
ご飯にからまってしまいます。
また、ご飯は焦げやすいので、油を多めに使います。
具を炒めるときとご飯を炒めるときの二回に分けて入れます。
●焼きそばは堅めに仕上げます。
おそばはまず種類を選ぶことから始まります。
炒めるときには堅いそばを選びます。
干麺なら、さっとゆでますが、これも堅めににゆで上げてから、
よく炒めて適度の堅さに仕上げます。
水けが多いベチャベチャの焼きそばになってしまっては
まずくて食べられません。
そばは、よく炒めると香りが出ます。
また、ねぎ、しょうが、にんにく、玉ねぎなどの
香味野莱を入れて香りをさらに添えます。
味つけは好みですが、かき油を入れるとおいしさが増します。
あんかけにすることも多いのですが、
この場合は、あんの柔らかさに気をつけてください。
堅いのも水っぽいのもだめ、適度の柔らかさが必要です。
●餃子は皮を発酵させすぎないようにします。
餃子のような粉ものを作るときは、粉の質が大切です。
なるべく上等の小麦粉を使いましょう。
発酵させるものは、発酵が進みすぎないように注意します。
発酵しすぎるとすっぱくなってしまいます。
●甘い点心は、甘すぎは禁物、見た目もきれいに仕上げます。
コースの最後に出る甘い点心は、デザートと同じです。
これは、さまざまな料理を食べた後に出すものですから、
いかにも食欲をそそるように、
見た目をなるべくきれいに仕上げます。
甘さは、濃すぎたり、薄すぎたりしないようにしてください。
最後の口直しにあたりますから、
甘くてもさっぱりした口当たりにするほうがよいでしょう。
※「邱家の家庭料理」は本日が最終回となります。
長らくのご愛読、ありがとうございました。
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