第693回
私はやっぱり“自己批判”の民です
かつて『中国人と日本人』で邱さんは
「日本人の自己批判 中国人の自画自賛」
と書きました。
中国人は自分たちのことを
自慢げにPRすることに熱心な国民で、
「自分を売り込むことに
いささかのためらいも感じない。」
(『中国人と日本人』)
そんな中国人と比べ、
「日本人はちょっとマゾの傾向があって、
貶されると嬉しがるところがあるし、
また自分らの欠点を少しでも直そうという
真剣さが見受けられる」(同上)
そうした邱さんの観察眼に照らして考えると
自分はやっぱり日本人で、
“自己批判”の傾向があるかなと思います。
というのも、セミナーが終わったあと、
私の頭をよぎることは、たいてい
「あのようなやり方で良かったのだろうか」
「皆さんに役立つところがあったのだろうか」
といったことで、しきりに反省します。
かりにも、
「うまくいったぞ」などと、
胸を張るようなことはありません。
いつのときでもそうですから、
自分はやっぱり“自己批判”の民だと思います。
そんな自分が元気を取り戻すのは、
セミナーに参加してくださった方たちから
メールをいただいたときです。
皆さんはたいてい「楽しかったです」
とおだててくださいますから、
それに乗せていただき、
多少は喜んでいただけたかなと胸をなでて、
心のバランスを保っているというのが
セミナーを終えたときの私の姿です。
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