旅行記者・緒方信一郎さんの
読んでトクする旅の話

第195回
賢い旅行者がお得な旅行をつくる

世の中、景気が良くなっていると言われますが、
本当でしょうか。散々、苦い水を飲まされてきましたから、
マスコミの情報など信用できないと思うのが当然ですよね。
でも、そう思うだけ賢くなったと言えるかもしれません。
デフレといわれる経済状態が続いた結果、
価格が下がったものがずいぶんある。
海外旅行商品などは典型的な例です。
巨大な利権の絡む高速道路など
値下がりした区間はあるのでしょうか。
新幹線もいまだに本当に必要かどうか分からない区間で
開業だの着工だのと言っています。
新幹線の割引料金といえば、
お茶を濁す程度のものしか出ていない。
競争のない独占事業とはそういうものです。

しかし、海外旅行商品は外国の航空会社やホテルが
安い料金で日本市場に参入してきますから、
それはそれは、競争が激しい。
たとえば人件費などのコストが安いアジア系の航空会社に対して、
日本の航空会社も対抗できる値段で乗れるようにしなくてはいけない。
かつて中東の砂漠に飛行機を放置して、
放漫経営をしているなどと揶揄された日本航空も、
今では効率的な経営をせざるを得ない。

インタビューなどで「海外旅行は安くなりましたよね」と
言われることが多いのですが、
逆に言えばまだまだ日本の物価が高過ぎるわけです。
とはいえ、たとえば目前に迫ったゴールデンウィークや
夏休み、年末年始などは海外旅行商品も高騰します。
一番のピークともなれば、普段の2倍、
あるいは3倍近い価格になることもある。

ですが、よくよく調べてみると、
出発日や帰国日が1日違うだけで、
実にピークの半額近くまで値下がってしまうものもある。
繁忙期に旅行するなら、そういう時期を狙ってください。
旅行者が殺到する日があるから値段が高くなる。
会社や学校などの都合があって、
一番のピーク時にしか休みを取れない人は多いと思います。
ですが、皆がなるべく満遍なく休みを取るようになれば、
それだけピーク時期と普段との値段の差がなくなる。
商品の値段というものはそうやって
消費者が下げていくのが理想的です。
その分、普段の値段が多少上がるかも知れませんが、
ピーク時期に高すぎる値段で旅行しているよりは、
その方がはるかにお得なのは言うまでもありません。
賢い旅行者が、お得な旅行商品をつくっていくわけです。


←前回記事へ 2004年4月13日(火) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ