第119回
航空会社の合併や経営破綻はまだまだ増える
エールフランスとKLMオランダ航空の合併が決まったようです。
両社とも国を代表するフラッグキャリアで、
日本でいえばJALが他の国の航空会社と一緒になるようなもの。
アジアではまだまだ考えにくいことですが、
ヨーロッパではいよいよ航空再編が進んできました。
今回の場合、実質的にはエールフランスがKLMオランダ航空を、
吸収合併する色合いが強いのですが。
飛行機を運航する側からすると、ヨーロッパは路線網が過密状態。
狭い地域にいくつもの国があり、それぞれの国が航空会社を
所有して運航するという従来のスタイルが効率的ではなくなった。
安い運賃でどんどん力をつける格安航空会社の台頭も著しい。
そんな中で航空会社の民営化も進み、国を超えて、提携や吸収、
合併が行われるようになったのです。
ヨーロッパの大手航空会社は3つのグループに再編されると、
考えられています。今回、合併を発表したエールフランス、
KLMオランダ航空、それにアリタリア航空などを加えたグループ。
先日提携を決めたブリティッシュ・エアウェイズとスイス国際航空、
それにフィンランド航空などを含めたグループ。
そして、ルフトハンザ ドイツ航空、スカンジナビア航空、
オーストリア航空などのグループ。
最終的には、この3グループに集約され、
残りは中小の航空会社として短い路線など運航するようになる。
そんな構図ができあがると言われています。
航空再編は利用者にいろんな影響をもらたしますが、
分かりやすいのは路線の増減やマイレージの条件変更でしょう。
サベナ・ベルギー航空が経営破綻をしたときに、
同社が拠点としていたブリュッセル発の一部の路線がなくなり、
他に就航している航空会社もなく、陸路で移動するしかなくなった。
そんなケースも出てきます。
マイレージでいえば、マイル加算のできる、
あるいは無料航空券で乗れる航空会社が変わる。
吸収合併された航空会社の場合、マイレージのサービスがなくなる、
吸収した方のルールに変更になることも少なくありません。
航空再編の動きは米国の同時多発テロ事件以降、加速しています。
ヨーロッパだけでなく、アメリカやオセアニアでもそうですから、
つぶれる、いや吸収合併される航空会社はもっと出てきます。
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