旅行記者・緒方信一郎さんの
読んでトクする旅の話

第113回
為替と両替と物価の関係

為替レートの動きは、現地での買い物にも当然影響します。
1ドルあたり10円高くなれば、
300ドルの財布を買ったら3000円、
2000ドルのバッグなら2万円のお釣りがきます。
かつて、90年代はじめに海外でのショッピングが
大ブームになりましたが、それを後押ししたのも、
1ドルが80円を切る時期もあるような円高でした。
最近は、そこまで円が強くなることはありませんが、
なるべく円が高い時期に旅行するのはひとつの考え方です。

為替の動きに関係なく、円が現地の通貨に対して強い国に
旅行するのもおトクな旅行ができます。
タイや韓国、バリ島が人気の旅行地になったのは、
現地の物価が安いことも大きく影響しています。
アジアだけでなく、ニュージーランドやハンガリーなど、
現地の物価を日本円に換算してみると、
安く感じる国は少なくありません。
逆にドルが高くなってしまいアメリカやハワイは、
以前のようなおトク感はなくなってしまいました。
だからこそ、より円高な時期を狙うわけです。

海外旅行の際に、トラベラーズ・チェック(T/C)を
利用されている方はいらっしゃるでしょうか。
最近はクレジットカードが普及したため使う人は減りましたが、
両替のレートは現金よりトラベラーズ・チェックがいい。
とはいえ、小額の買い物をしてT/Cを出すと嫌がられる、
あるいは現地で現金に両替するとおトク感がなくなる、
使うのがまどろっこしいなどの理由から、
実際にはあまりメリットを感じないことも多い。
ホテルや高額なブランド品などのある程度高額の支払い、
または強盗やスリなどの犯罪が多い地域に行くとき、
そういった機会にしか使おうと思わない。
まあ、よく財布を落とすような人にはいいかもしれませんね。
番号さえ控えておけば、再発行してくれますから。
クレジットカードの利用限度額の小さい学生さんにもお薦めです。

余談ですが、このT/Cでお金儲けをしている、
いわばプロの方もいらっしゃるそうです。
為替レートがいいわけですから、現金ではなく、
円高のときにドルのT/Cを大量に購入しておく。
そして、円高になったときにそれを売ると、
差益が、つまりは利益になるというわけです。
1ドル110円のときに1万ドル分のT/Cを購入すると、
110万円を持っていることになる。
それを1ドル120円になったときに売ると、120万円となり、
10万円の利益が出る。
ただ、実際には、手数料や再両替のレートの悪さなどのリスク、
円安と円高の幅がなるべく大きくなければ儲からないなどの
条件もあり、それほど単純な取引ではありませんが。


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