旅行記者・緒方信一郎さんの
読んでトクする旅の話

第56回
いいホテルを見分ける方法は?

いいホテルを見分ける方法というのはあるのでしょうか。
立地条件や施設などの便宜上の理由ではなく、
滞在していて気持ちのいい部屋という意味でです。
もっと言えば、自分がリラックスできるかどうか、
それが最大のポイントになります。
どんなに高級と言われているようなホテルでも、
自分にとって居心地が悪いなら意味がありません。

がっかりさせるようで申し訳ありませんが、
そういうホテルは実際に泊まって見つけるしかありません。
もちろん値段で判断するのはある程度正確です。
高級といわれるホテルほど内装や家具、眺めなどに、
こだわりをもって造られていますから。

ですが、同じ国の、同じような値段帯のホテルなのに、
大きな違いがあるのにはいつも驚かされます。
ひとつヒントがあるとすれば、
いいホテルというのは、長く泊まれば泊まるほど、
その良さが分かってくるということです。

最後の1泊くらいはいいホテルに泊まろう、などという、
広告商品を見かけますが、あまり意味があるとは思えません。
1泊程度では良さを感じる間もなくチェックアウト。
もったいないだけではないでしょうか。
それなら、徹底してリーズナブルな宿に泊まり、
余った予算で外に出かけて美味しいものでも食べた方がいい。

ちなみに、私が忘れられないのはソウルの新羅ホテル。
国賓を迎えるようなホテルですから、日本でいえば、
帝国ホテルのようなところですが、スタッフのホスピタリティ、
部屋の内装ともとても落ち着くものでした。
料金は時期にもよりますが、
スタンダード・ルームなら2万円以下、スイートで4万円台が相場。
値段との兼ね合いを考えると、高くはないと思います。

逆に落ち着かなかったのは、ニューヨークのシェラトン。
両方ともチェックインのフロアが上層階にある、
エグゼクティブ・フロアの部屋でしたが、
ずいぶん違いがあったように感じます。
もちろん、それはホテル側に責任があるわけではなく、
私が日本人ですからアジア的なホスピタリティの方が、
落ち着くということかもしれません。

ビーチの安宿でも、何軒も泊まっていると、
自分の好みが分かってくるものです。
いずれにしろ、そうやって「常宿」を見つけた人は、
格好いいですね。


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